平成24年08月27日 参議院 決算委員会

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無所属 亀井亜紀子
竹島問題について、この機会に、島根県は大分研究が進んでおりますので、背景について少しだけ御説明をしたいと思います。

島根県の竹島問題研究会に多くの有識者がかかわっておりまして、その中に拓殖大学の下條正男教授がおられます。彼がいろいろな発表をしていますけれども、最近分かってきたこととして、なぜ居住に適さない竹島を韓国があの時期に不法占拠したのかということ、いろいろ発表をされ始めました。

それは、サンフランシスコ講和条約が発効して日本が国際社会に復帰し、韓国に対して国交が正常化したときに、財産の請求がされないように何かしらの外交カードが必要だったということが背景にあるようです。

ですから、まだ講和条約が発効していない、日本が物を言えないときに不法占拠をして、そして李承晩ラインを引いた。そして、このラインの韓国側で漁業をしていた日本人を拿捕して、この数が2791人おります。65年までの間に拿捕された人たちです。この人たちが、長い人で3年ほど釜山近郊に抑留されていました。彼らを人質に、言葉は悪いですけれども、人質に使うことによって、日本が韓国に持っていた財産権の請求の放棄、それから日本にいた在日韓国人の法的地位を要求したんですね。こういうことがあるんです。

これは韓国側は余り触れてほしくない歴史でして、こういったことをなるべく表に出したくない。それで、竹島問題を持ち出すと従軍慰安婦の問題を持ち出してきて、人権、人権と言うわけですけれども、一方で、日本側は、拿捕された漁業者の人権、これも求めておりませんので、解決済みのことを持ち出してくると両方が収拾付かなくなりますから、事実は事実として韓国側に主張し、毅然とした対応をお願いしたいと思います。