[033]
無所属 平山泰朗
竹島の領土問題は今始まったことではなく、1952年の李承晩ラインの宣言から、その後の不法占拠による実効支配、李明博大統領の竹島の上陸に至るまで続いております。つまり、この問題は、民主党政権ならず自民党政権下においてこそ、その多くの事件が起きたとも言えるのではないでしょうか。
では、自民党政権下で、1952年、李承晩ライン、1954年、海上保安庁巡視船の銃撃事件、1981年、ヘリポートの設置、同年、住民の居住、1998年、灯台の設置、2005年、観光客の来島時に当時の政府はどのような対応を韓国政府に対してとったのか、お答えください。
[034]
外務大臣 玄葉光一郎
竹島は我が国固有の領土であって、これは1905年に島根県に編入しているわけです。それは再確認ということで、実は竹島はそれ以前から、江戸時代から幕府公認で町人の方が、アワビ、アシカ、そういった捕獲とか漁とか、そういうものをしていた。ですから、その時点から日本の領有権というのは確立をしていたわけですけれども、おっしゃったとおり、1952年に李承晩ラインというのが一方的に引かれて、54年に、いわば韓国の軍が駐留をする。その後、ヘリポートだ灯台だ接岸工事だ、さまざまなされた。
その都度どうしてきたんだということなんですが、基本的には、そのときは口上書による抗議ということなんです。ですから、そのときはそのときで最善の対応をとったということなのだろうと思うんです。ですから、先ほど申し上げたように、それは日韓関係全般に及ぼす影響を考えた一つの配慮というものが働いていたんだろう。
ただ、私は今回のことで、つまりは上陸ということが、しかも元首の上陸というのがありました。今まで、実は韓国の首相の上陸なんかもずっとあるんですよ、この間。あるんですが、今回、元首の上陸ですから、やはりしっかりとICJに提訴して、領土問題には領土問題、ここは毅然と対応し、しかし同時に、先ほど吉良委員からも御指摘がありましたけれども、冷静に対応するところは対応する、このバランスが大変大切だというふうに考えているところでございます。
[103]
自由民主党 石破茂
竹島についてはこの後、下村委員がやりますが、先ほど来、言うまでもなくという話があるんだけれども、我々はそう思っていますが、日本国民のどれだけが、国際法的に、歴史的に、尖閣は明々白々日本の領土である、なぜならばと言えるか。
裏返して言いますと、中国がどういう主張をしているかなんですよ。つまり、日本が戦争に敗れて台湾等々を返還しました。あの中に当然含まれているというのが中国の主張のコアですよね。それに対してどう反論するかということを日本国民みんなが言えなければ、これはだめなんですよ。
つまり、終戦直後に、中国は台湾を自国領とした。中国は戦勝国ですから、あそこで尖閣も自国領にすることはできたはずなのに、そういうことをやっていない。そして、その後出た中国の地図にも、尖閣は日本領というふうに書いてあるのであって、アメリカが日本に、これは沖縄返還に関してですが、引き渡した、そのような主張は明らかに誤りであるということはきちんきちんと国民に対して言っていかないと、中国に、何言っているんだ、返った台湾にこれが入っているはずだと言われたときに、明確に反論ができませんよ。そのことはきちんと、明々白々ですという言葉で片づけているから、みんなに知識が普及しないんですよ。これは我々の反省でもあります。
これは竹島についても同じことであって、我々山陰に住んでいる人間は、あの李承晩ラインというものが設定をされ、どれだけ大勢の漁民が殺され、どれだけの者が傷つき、どれだけの者が抑留されたか、子供のころテレビで見て、新聞で見て、よく知っていますよ。島根の人々もそうです。島根が竹島の日というのを制定しているのはそれなりの思いがあってやっているのであって、このことを我々は真摯に取り上げる必要があると思っています。内閣府に所掌させる、そのための設置法の改正も当然であります。
では、今と同じお話で、韓国はなぜ竹島が日本のものではなく韓国のものであると主張しているか、それに対して明快な反論は何かということを国民に対してきちんと言わないで、自明であると言っているだけでは、領土に対する国民の認識は深まりませんよ。
これこそ与党も野党もなく、私は、拉致問題のときに、拉致の文章を国連で使われている言葉全てに訳して、同志の議員とともに、海外に出張するときも必ずそれを持っていった。
この竹島もそうでしょう。ずっと日本が実効支配をしていた。これは鳥取、島根の時代からそうですよ、鳥取藩の時代からね。にもかかわらず、サンフランシスコ条約が調印され、発効するまでの日本に主権がない間に、李承晩ラインを引き、水域を設定し、武力占領したんでしょう。そういうようなのは、国際法的に見て、違法に決まっているでしょうが。そのことを我々はきちんと言わないで来たという反省があります。
私は、今回改めてそのときの報道を読み返してみて、殺された若い船員は、赤ちゃんは、お父さんの顔も見ることはなかった。大勢の人たちが死んでいった。
私たちは、何も韓国を敵視しようとか、そんなことを言っているんじゃない、国際法的に正しいことは正しいということを訴えていくべきだと思いますが、いかがですか。
[104]
外務大臣 玄葉光一郎
今、石破先生が言われたように、尖閣は領有権の問題そのものが存在しないということなので、どういうふうに説明していくかというのは、全く同列ということにはならないかもしれません。
ただ、竹島について、その歴史、後で恐らく下村委員からお話があるんだと思いますけれども、党派を超えて広くわかりやすく伝えていく、このことは非常に大事だというふうに思っています。